
モントレゾール
Montresor
ヴェネト Veneto
ヴェローナ
所有畑:40ha
100年以上愛され続ける『つや消しボトル』のアマローネ
受け継がれる歴史と情熱
Montresor(モントレゾール)家のワイン造りの物語は、17世紀のフランスにルーツを持つ、由緒ある一族から始まります。
クロード・ド・モントレゾール伯爵がオルレアン家の顧問として活躍した後、一族は1600年代半ばにイタリア・ヴェネト州へと移住。ガルダ湖近郊の肥沃な土地に魅せられ、ワイン造りの家業をさらに発展させていきました。
そして1892年、画家の血も引くジャコモ・モントレゾールが「カンティーネ・ジャコモ・モントレゾール」を創業。
以来130年以上にわたり、モントレゾール家はヴァルポリチェッラの地で情熱と革新の精神を大切にしながら四世代にわたりワイン造りを継承しています。


ヴァルポリチェッラの自然が育む、唯一無二のテロワール
モントレゾールの畑は、自社所有の約40ヘクタール。
丘陵地と山岳地に守られたヴァルポリチェッラの地形は「Vallis-polis-cellae=多くのワイナリーがある谷」として知られ、ローマ時代からブドウ栽培に最適な場所とされてきました。
コルヴィーナ、コルヴィノーネ、ロンディネッラ、モリナーラなど、地元の伝統品種が育つこの土地は、まるで自然の円形劇場のよう。
モレーン性土壌、昼夜の寒暖差、風通しの良さが絶妙に調和し、力強さと繊細さを併せ持つワインを育みます。
この多面的なテロワールの個性を大切にし、陰干しブドウを用いたアマローネやレチョートといった特徴的な製法を今も守り続けています。
美と機能を兼ね備えた、サテンボトルの革新
モントレゾールを象徴する「サティナート(サテンボトル)」は、1921年に誕生しました。
その起源は、1904年にジャコモが描いた独自の曲線美を持つボトルデザイン「ムーラ」。北米への輸出が始まった1906年、日差しによる再発酵や酸化を防ぐため、15年におよぶ試行錯誤の末に完成したのがこのサテン(つや消し)加工でした。
今やアマローネ・サティナート・モントレゾールは、ヴァルポリチェッラを代表する存在として世界50か国以上で親しまれています。
このタイムレスなボトルは、機能性と芸術性を兼ね備えた唯一無二のアイコンとして、ワインの中身と同じく、長く人々の記憶に残り続けています。


伝統を受け継ぎ、未来へと開かれるワイナリー
モントレゾールは130年以上の歴史を重ねながら、時代とともに歩みを進めてきました。
環境と品質への配慮から、農薬使用を最小限に抑えた栽培に取り組み、SQNPI(国立統合生産品質制度)の認証を取得。持続可能なワイン造りを実践しています。
さらに2000年代には、「ワイン・アーバン・パーク」という構想を展開し、カンティーナの一部を現代アートの空間として開放。ストリートアートとワインが共鳴する、感性に開かれた場所を創出しました。
そして2022年には、130年の歩みをたどる「ワイン博物館」もオープン。歴史あるカンティーナとともに、訪れる人々にワイン文化の奥深さと時の流れを伝えています。
モントレゾールは、伝統を守りながら、時代の変化を柔軟に取り入れ、未来へと開かれたワイナリーであり続けています。




