
ヴィッラ・デ・ヴァルダ
Villa de Varda
トレンティーノ・アルト・アディジェ Trentino Alto Adige
メッツォロンバルド
150年を超えて受け継がれる情熱
イタリア最古の蒸留所のひとつ
グラッパの発祥地として知られる北イタリア・トレンティーノ州メッツォロンバルド。
この地に根ざすVilla de Varda(ヴィッラ・デ・ヴァルダ)は、イタリア最古の歴史を誇る蒸留所のひとつとして、150年以上にわたり家族の伝統と蒸留の芸術を守り続けてきました。
その始まりは19世紀初頭、曾祖父ロメディオ・ドルツァンが蒸留事業を本格化させたことにさかのぼります。
以来、代々がその技と哲学を受け継ぎながら磨き上げ、現在は6代目ルイージ・ドルツァンが指揮をとり、息子のミケーレとマウロが次世代を担いながら、伝統に現代的感性を融合させたグラッパづくりに取り組んでいます。
ヴィッラ・デ・ヴァルダの核にあるのは、代々受け継がれてきた情熱と、「もっとも信頼のおける友人や愛好家のために、最高のグラッパを蒸留する」という姿勢です。


トレンティーノの恵みが育む、唯一無二の個性
ヴィッラ・デ・ヴァルダが拠点とするピアーナ・ロタリアーナは、ドロミテ山脈の麓に広がる肥沃な平地。昼夜の寒暖差、豊かな日照、そしてガルダ湖からの涼風──この地ならではの気候条件が、芳香豊かなブドウを育てます。
こうした恵みを最大限に活かすために、ヴィッラ・デ・ヴァルダではブドウの収穫から醸造、そして蒸留に至るまで一貫して自社で管理。ワインを搾った直後の新鮮なヴィナッチャ(搾りかす)を即座に蒸留に回すことで、素材のアロマと風味を余すことなく閉じ込めます。
この土地と原料への深い理解から生まれたのが、ヴィッラ・デ・ヴァルダ独自の“de Vardaメソッド”──150年以上にわたって進化を重ねてきた、唯一無二の製法です。
de Vardaメソッドが築く、確かな品質
“de Vardaメソッド”の最大の特長は、原料と工程に対する妥協なきこだわりです。
使用するヴィナッチャは、ワインのアロマをたっぷり含んだ新鮮な状態のもののみ。一般的なグラッパで感じられる強い刺激の原因となる種子は、90%以上を取り除いたうえで、すぐに蒸留に入ります。
蒸留には、100%銅製のポットスチルを使用。直火ではなく湯煎で、6回にもわたりゆっくりと蒸留されます。さらに3日かけて0℃まで冷却し、分離して浮いてくる油分を100%除去。このプロセスによって、驚くほどまろやかで芳醇、そして雑味のないグラッパが生まれるのです。
イタリア国内のグラッパ蒸留所の平均蒸留回数が1.5回とされるなか、ヴィッラ・デ・ヴァルダの6回蒸留は極めて異例。その丁寧さと緻密さこそが、世界中の専門家や愛好家に認められる理由です。
実際、ヴィッラ・デ・ヴァルダのグラッパはこれまでに数々のイタリア国内コンテストでプレミア賞を受賞。その名にふさわしい品質が、数値と実績で証明されています。


芸術的な職人技と歴史を感じるグラッパ
一切の妥協を許さず、伝統に忠実に。
de Vardaメソッドは、もはや「製法」の域を超えた蒸留の芸術といえるでしょう。
その芸術を支えてきたのは、職人の技と、代々受け継がれてきた知識と情熱です。
その精神を目に見える形で残したのが、蒸留所内に併設された「Cose di Casa(わが家のものたち)」博物館。
蒸留家ルイージ・ドルツァンが長年かけて収集・整理した1,600点以上の道具と、280点にのぼる歴史文書が展示されています。
そこには農業・醸造・蒸留にまつわるイタリアの民具のほか、ドルツァン家がこの土地で営んできた暮らしの記憶が丁寧に保存されており、国の重要文化的資産にも位置づけられています。
受け継がれてきた技と精神、そして土地の力が形になった一杯。
ヴィッラ・デ・ヴァルダのグラッパは、ただ飲むだけでなく、その背景にあるものを感じさせてくれます。














